聞き手:1日3食、1年365日という表現やご当地ラーメンまで行って確認するとは、またすごいですね。そこまでする魅力はなんでしょうか?
佐々木:まず、主食におかず、スープに前菜と一つの中に全て表現された総合食であるというところです。同じ麺類でも日本蕎麦やうどんでは、表現に限界がありますが、ラーメンの場合、フランチャイズなど、マニュアル化されているお店をのぞき、スープや麺から具を見ても同じラーメンというものが存在しない。色々なものを楽しむことが出来るということです。それに安い。
聞き手:それだけ食べていて飽きませんか?
佐々木:いいえ。お店によってすべて味が違います。色々なお店がありますが、1度食べた味は3年間くらい覚えていますね。
聞き手:3年間ですか!
佐々木:ラーメンを舌で味わおうとするから覚えてないのです。身体全体で食べれば忘れません。たとえば、ラーメン800円の中には、店舗の家賃、水道光熱費、器の原価、従業員の給与等色々なものが含まれています。800円の中でそれら全てが表現されているわけですから、ラーメンを食べながら、麺の太さや固さ、スープの味といったラーメンのみにこだわるのでなく、店全体のデザイン、たとえば、テーブルや椅子、音楽、照明、メニューなどから、店員の服装や対応、来ているお客様の層やその表情など色々なものを観察することが出来ます。それら全てを味であると目で見て、耳で聞き、温度を感じ、身体全体で感じとって食べていますので、よほど特徴の無いお店以外は忘れることがありません。
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